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ループ論争
ヱヴァンゲリヲン新劇場版は時間軸がループになっているか論争が発生した

★対立派閥
・旧劇と関わってる派(時間は不可逆)
 ┗旧劇→序→破→Q→シン だよ派

・時系列が違うよ派(時間は不可逆)
 ┣Q→序→破→シン だよ派
 ┗序→破→Q→序→破→シン 永劫回帰系だよ派

・ループ系分岐派(時間は巻き戻る)
 ┗→序→破B→Q→序→破B...「Q」の文字みたいに破Cでループ突破しちゃうよ派
 
・単純分岐派
 ┗ループなしで 序→破B→Q
           ↓ 
           破C→シン っていうシンプルな分岐だよ派
・パラレル派
  ┗ 序→破→急→シン(NOT)あり
    JO→HA→Q→シン(NOT)なし の平行世界が入り乱れてるよ派
 
・ループも分岐もねえよ派 
 ┣普通に新劇だけで 序→破→Q→シン だろ派
 ┗カヲルだけはループしてそうだけど序→破→Q→シン派

★論争の原因であるカヲルの3大謎セリフ
@序「また3番目とは」
A破「今度こそ幸せにしてみせる」
BQ「また会えるよ」

この3大謎セリフをどう捉えるかで、各派に分かれていると推察される

●シンプルに新劇だけの四部作だよ派
3大謎セリフは「思わせぶりなだけ」とし、各派の根拠を否定することで、この説が成立する。
筆者の推察によると、最大派閥であると思える。

●カヲルだけメタ的な立場で、あとはシンプル新劇四部作派
3大謎セリフだけ容認し、残り全ては各派の根拠を否定するという説。

●3大謎セリフもあるし、旧劇から繋がっているんじゃね?派
根拠
・序の冒頭で謎巨人の白線がある
・月に赤い線がある
・海が赤い
反論
・月の赤い線はセカンドインパクトで出来た(破の絵コンテに説明がある)
・赤い海はセカンドインパクトでそうなった(破のシンジのセリフより)

●3大謎セリフの順番を意味の通るように並べ変え派
根拠
・Q「また会えるよ」→序「また3番目とは」→破「今度こそ幸せにしてみせる」
というのが一番理解ができる。
反論
・Q→序に繋がる話がまったく見えない

●時間は戻らないけど、絶滅→世界再構築を繰り返している派
根拠
・3大謎セリフの筋が通る
・カヲル棺桶がいっぱいある
・将棋のシーンから、「時間は不可逆」「世界再構築」の描写
反論
・考えすぎじゃない?

※ここでさらに意見の分かれる要素が加わる
★破のQ予告とQ本編は違うものだ

●英語副題の(NOT)があるなしで、2本の世界がパラレルしている
根拠
・一人じゃない世界→前進できた世界→やり直せなかった世界
・1作毎に違う世界の内容なので、3大謎セリフが矛盾してても納得がいく
・破とQの繋がりの違和感も納得できる
反論
・前半と後半で(NOT)ありなしが分かれているのではないか
・パラレル言われたら検証しようがない
・繋がってない違和感は主観にすぎない

アイキャッチ前後をAパート・Bパート

序→YOU CAN (NOT) ALONE.→A あなたは一人です。B あなたは一人じゃ無い。
破→YOU CAN (NOT) ADVANCE.→A あなたは進むことができる。 B あなたは進むことができない。
Q→YOU CAN (NOT) REDO.→A あなたはやり直せる。 B あなたはやり直せない。

●時間は巻き戻り、ループしている。破Cパートでループ突破分岐している
根拠
・3大謎セリフの筋が通る
・円環の「〇」を「、」で貫いて「Q」の文字になっている
・サードは破Cで止まったはずなのでQの世界はおかしい
反論
・Qは元々「急」だろ
・ニアとサードで2回あれば問題ないよね?
※単純分岐も似たような展開


●64氏説
カヲルの正体と次回作タイトルについて

序カヲル「また3番目とは、変わらないね君も」
破カヲル「今度こそ、君だけは幸せにしてみせるよ」

上記の二つのセリフは新劇場版ヱヴァンゲリヲンにおいて極めて異彩を放っていセリフであろう。
しかしながら本編劇中で発せられたこの二つのセリフを「間違い」や「無視していいもの」として流すことは出来ない。
真剣に考察を進める者ならばいつかは向き合わなければいけない、決して逃げることが出来ないセリフなのである。
私自身としてはこの二つのセリフが無かったらどんなによかっただろうかと思っている。
このセリフの真意次第で今まで全ての考察が崩れてもおかしくないからだ。
でもいつまでも逃げることも出来ないので、禁断のこの二つのセリフの考察を進めてみたい。

・5つの可能性
この二つのセリフの整合性を持たせるならば以下の5つの可能性が考えられる。
@時系列の入れ替え(Q→序のような)がある
Aパラレル世界があり、カヲルは別世界の記憶がある
B旧劇を含めたループ世界があり、カヲルは前世の記憶がある
C新劇のみでループした世界があり、カヲルは前世の記憶がある
Dカヲルの二つのセリフはメタ発言である

@時系列の入れ替え(Q→序のような)の可能性
これはありえない。何故ならばカヲルの二つのセリフの整合性を取るために他の全てが不整合になるからだ。
「あちらが立てばこちらが立たず」現象が多く起きてしまう。と、私は思いますよ。

Aパラレル世界の可能性
パラレルの可能性は当然に存在する。しかし夢オチと同じで、その可能性を考察するのは無意味である。
パラレルの可能性を全く排除できないが、パラレルである証明はできない。よって考察する意味なし。
実際にガフの向こう旧劇の世界があった展開になっても驚きませんけど、考えても意味が無いと思ってるだけです。

B旧劇を含めたループの可能性
私も一時期は旧劇続編を信じかけた。象徴としてアスカのガムテなどを出しているのではないか思ったからだ。
しか結果としてこれも無い。公式HPで否定されているからだ。序の作品情報のイントロダクションというところに
「「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」は、リニューアルでもリメイクでも続編でもない。」と明記されている。
この安っぽい文章を書いたのは庵野氏本人ではないであろうが、エヴァ関係者がこの文章を公表するにあたって、
製作陣に確認を取っていないわけがないと思う。最低でも「続編じゃないですよね?」と聞いていないと
エヴァという作品で「続編ではない!」なんて公式HPに書けないと思う。よって、旧劇との繋がりは無しとできる。

C新劇でのみループの可能性
さて、ここからが本番である。
私はこの説とDのメタしか可能性は無いと思っている。この二つの説は甲乙つけがたく長い間考察してきたが、
新劇ループはわずかに否定する要素があることに思い当たった。
その要素とは、恐らくこれまであまり考察されていない次回作のタイトル表記である。
私自身あまり気にかけてなかったタイトルがここに来て仮説を生じさせたのは非常に喜ばしいことである。
まさに考察スレに一石投じられるのではないかと思い、正直胸が躍った。(先にタイトル考察あったらごめんなさい)

「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」

「:||」についてはご存知のとおり、コロン付きだと「反復する」という音楽記号で、コロン無しだと「終止符」である。
ダブルミーニングだとする説もあるが、この二つがダブルミーニングでは矛盾してしまう。
ということは、「反復」か「終止符」のどっちかなのである。つまり「コロンが付いているか付いてないか」と言い換えることができる。
ここまで整理できれば答えは自ずからと見えてくる。正解は「コロン無しの終止符」である。
なぜかというと、序も破もQもコロンが付いていたからである。四部作の3作にコロンが付くという規則性があるのだから
当然4作目にもコロンが付くはずである。なお新劇場版が4部構成なのは公式である。
これには当然反論もあると思う。「4作目はタイトル表記が大幅に違うのだから規則性は崩れたはず」というものであろう。
しかし私はこう言いたい「規則性がある説」のほうには、「前3作にはコロンが付いていた」という「理由」が存在するのである。
それに対し「規則性がない説」はそうである「理由が無い」のである。
故に、論理的思考としては「規則性がある説」のほうに分があるのである。
そしてさらに公式HPにある次回作が「FINAL」であることに注目した。これは「反復」では意味が合わない。「終止符」でなければならない。
こうしてコロン無しの「終止符」を正解とすると、タイトル表記の意味も見えてくる。
私は次回作のタイトル表記の意味をこう考えた。

「コロン無しの終止符だというのを濁すためにシン劇場版という文字を分解した」

序の頃より新劇がループだと騒がれていたのを庵野が知らないということは考えられない。
そしてループを匂わすようなセリフをカヲルに言わせたり、アスカのガムテなどを映像に取り入れてきた。
最後にタイトル表記にまでその手法を使ったのである。
このような理屈から私は「ヱ」が「エ」、「ヲ」が「オ」になったことに意味は無いと推察する。「シン」も単純に「新」でしかない。

長くなってしまったがタイトル表記が「終止符」であって「反復」を匂わせたという事実は、逆にループを否定していると推察できる。
このようにしてCの新劇ループの可能性には否定する要素が存在するわけである。

Dカヲルの二つのセリフはメタ発言である可能性
これまでの4つの可能性が否定されたことにより、消去法でこれが正解となる。
消去法以外にも、かすかな根拠らしきものも一応ある。カヲルの中の人、石田氏の発言である。
石田氏の発言は他の声優の発言とはレベルが違う。考察ソースとしてはまるで別物として扱わなければならないであろう。
理由はもちろん「石田氏はキャスト陣で唯一人、新劇の設定を庵野監督から聞かされていた」からである。
つまり石田氏の発言は庵野氏の発言としてもおかしくないのである。これほどの考察ソースがあるだろうか。
その石田氏は緒方氏のラジオでこう発言した
石田発言@(ラジオ)「14年すっ飛ばすことは知らなかった」
この発言は非常に大事である。なぜならパンフのインタビューではこう語っているからである。
石田発言A(パンフ)「庵野さんから聞いた「設定」についてはお伝えしないほうが〜」
何かしらの「設定」は確かに庵野から聞いていたはずなのに、「14年」のことは知らなかったということになる。
では何の「設定」を聞いていたのであろうか?それは以下のことであろう。
石田発言B(パンフ)「新劇はTV版などの焼き直しではない(筆者意訳)」
石田発言C(ラジオ)「TV版などと比べて新劇の立ち位置を聞いた」
つまり、新劇は旧劇とは違うものなのだと聞かされていたということになる。
これだけを聞くと「ふ〜ん」としか思わない。「Zガンダムとかと同じじゃん」くらいにしか思わないだろう。私もそう思う。
しかしここで疑問が生じる。「何故そんな当たり前のことを庵野はわざわざ石田に話したんだろう?」ということである。
そしてその疑問は一つの仮説に行き着く。
「メタ発言させるため?」
庵野監督がトップシークレットの「設定」をリスクを冒して石田氏に話したのは演技のためだと言い切っていいだろう。
なんせシンジ役の緒方氏はQ公開しばらくしてからツイッターで「ユイの旧姓って綾波になってるんだね!」などとつぶやくくらいである。
それくらい声優にも情報を漏らさない庵野氏がわざわざ言ったのだから演技のために役立つ情報リークだったはずである。
ここで序と破の数少ないカヲルシーンを思い起こすと、この論の冒頭であげた二つのセリフが浮かび上がってくる。
というかそれ以外に難しそうなセリフなんて見当たらない。

序カヲル「また3番目とは、変わらないね君も」
破カヲル「今度こそ、君だけは幸せにしてみせるよ」

このセリフの演技指導の一環として、「新劇の立ち位置」という情報をリークしたのだから、それは「メタ発言」のためである。
「狂言回し」と呼ばれる読者や観客目線の登場人物が出てくる小説や演劇は多い。その手法はそれほどめずらしいものではないのである。
ただ、ループだとミスリードさせる演出はさすが庵野監督だと思わざるを得ない。正直この考えに至った時は私は感動を禁じえなかった。

ということでまた長い説になりましたが結論は、「ループ無し、カヲルはメタ」です。

あ、ちなみにカヲルが狂言回しだとすると「はじめまして、お父さん」も
「観客もよく知っているシンジ君のお父さん、劇中で会うのは初めてですよねークスッ」程度のものだと思われます

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